ゴムの特性
ゴムとは、弾性を持つ高分子化合物です。小さい力で変形し、その力を除くと元に戻る性質を持ちます。
従来より人々の生活や工業において広く使用されてきました。
産業の発展の中で、用途に適した特徴を持つゴムが日々開発されています。
ゴムの選定
簡易的な説明
最も安価な汎用ゴム。緩衝材や敷きゴムに。
各種耐性のバランス良好な合成ゴム。迷ったらコレ。
耐油性良好な合成ゴム。特に耐油性の求められる用途に。
クロロプレンゴムとニトリルゴムの長所を併せ持つ合成ゴム。
耐候性、耐熱性に優れた合成ゴム。屋外用途に。
気体を通しにくい合成ゴム。耐薬品性、耐オゾン性も良好です。
耐摩耗性良好な合成ゴム。
機械的強度、耐摩耗性に優れた合成ゴム。
耐熱性、耐寒性良好な合成ゴム。食品衛生法適合品です。
ほぼオールラウンドに高性能な合成ゴム。耐寒性はやや劣ります。
詳しい解説はこちら ➔ 主要ゴムの話
硬度について
硬度とは、ゴムやスポンジの硬さを表す指標です。デュロメータと言われる機器を使用して数値化されています。
当店で取扱いしている商品の硬度は全て、ゴムはデュロメータA、
スポンジはASKER C型を用いての値です。
それぞれの硬度がどのくらいの硬さなのか、物に例えるなら以下のような感じです。
ゴムの硬度 | スポンジの硬度 | ||
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90 | スルメ | 35 | グミ |
65 | タイヤ | 25 | かまぼこ |
45 | ゆでたイカ | 8 | マシュマロ |
特性チャート →用語について →物性・耐薬品リスト
天然ゴム(NR) | |
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天然ゴム(NR)は、天然の樹液を主原料とした最も安価なゴムシートです。 弾力性、耐寒性に優れていますが、耐熱性、耐油性、耐候性を求められる用途には適しません。 | |
クロロプレンゴム(CR) | |
クロロプレンゴム(CR)は、最も一般的な合成ゴムで、耐侯性、耐熱性、耐油性、耐薬品性等の性能をバランスよく備えており、また難燃性にも優れています。 | |
ニトリルゴム(NBR) | |
ニトリルゴム(NBR)は、耐油性に優れた合成ゴムです。自動車部品・工業用パッキン等、高い耐油性が要求される用途に広く使用されています。 一方で耐候性・耐オゾン性に劣っており、直射日光が当たる屋外での使用には適しません。また、低温下でゴム弾性を失いやすい点に注意が必要です。 |
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MSR、クレシード | |
NBRとCRの特性を兼ね備えており、耐油性、耐熱性、耐候性に優れた合成ゴム板です。 | |
エチレンプロピレンゴム(EPDM,EPT) | |
エチレンプロピレンゴム(EPDM、EPT)は、耐候性、耐オゾン性、耐薬品性、耐熱性、耐寒性に優れた合成ゴムです。 上記特性のため、屋外での使用に適しています。ただし、耐油性を求められる用途には適しません。 |
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ブチルゴム(IIR) | |
ブチルゴムは、耐ガス透過性、耐熱性、耐薬品性、耐侯性、耐オゾン性に優れる合成ゴムです。特に耐ガス透過性(気体不透過性)に優れることが特徴として挙げられます。ただし、耐油性を求められる用途には適しません。 | |
ウレタンゴム(U) | |
ウレタンゴムは合成ゴムの弾性(柔らかさ)とプラスチックの剛性(固さ)を併せ持った弾性体です。 他のゴム材質に比べ、機械的強度、耐磨耗性が非常に優れています。 部分的に物性が異なるエーテルタイプとエステルタイプの二種に区分されます。 |
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シリコンゴム | |
シリコンゴムは、耐熱性(約180度)、耐寒性(約-80度)、電気絶縁性に優れる合成ゴムです。耐熱・耐寒用のパッキンとして使用される他、電気分野にも使用されます。また、厚生省告示第85号(侯性労働省告示第201号改正)に適合しており、食品分野でも使用されます。 一方で、機械的強度、特に引裂強さが弱く、大きな負荷がかかる用途には適しません。 |
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フッ素ゴム(FKM) | |
フッ素ゴムは、合成ゴムの中で最も優れた耐熱性(約230度)を有し、耐薬品性、耐油性、耐侯性にも優れています。 その特徴から、化学プラント、自動車、半導体関連分野で広く使用されています。 他のゴムと比較して、抜群に高い性能を有しますが、価格が高いことがデメリットといえます。 |
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耐摩耗性ゴム | |
耐磨耗ゴムは、天然ゴムとSBRを主成分とした耐磨耗性に優れた合成ゴムです。 土砂または粒状物質による摩耗の保護、運搬車両用鉄板の保護等、耐摩耗性を必要とする用途に適しています。 一般的な性質は天然ゴムと似ています。 |